光線過敏症の子どものためのUV防護服を制作中

XP(色素性乾皮症)などの光線過敏症の子どものためのUV防護服を制作中

UV防護服は、色素性乾皮症(Xeroderma Pigmentosum=XPと呼ばれています)の小学生の子どもたちの
ために作り始めました。

https://www.epochal.jp/view/category/ct188
小学生用、大人用のかぶりタイプのUV防護服は、こちらで販売しております。

太陽光、とくに紫外線領域に当たると、ひどい火傷になるだけでなく、通常の2000倍もの確率で
皮膚がんになってしまいます。
そのため、XPという難病の人たちは、紫外線に当たる事が出来ません。
つまり、全く当たる事が出来ないのです。

日常生活の中で、夜しか外出できなかったり、どうしても外出するときは、帽子、フェイスガード
手袋、長袖、サングラスなど重装備です。
それでも、UVを測定するものがないときは不安が付きまというと言います。

当社は、紫外線対策に20年以上関り、検査と研究、そして紫外線に対して肌を守りたい人々のために
エポカルブランドで、薄く軽く、そして効果的にUVケアができる紫外線対策ウエアを
企画・製造・販売してきました。

わたくしたちは、色素性乾皮症の子どもたちこそ、より守らなくてはならないと考え、小学生のための
UV防護服を制作後、大人用、そしてさらに就学前のお子様用のUVカット防護服を制作し始めました。

こちらが今販売中のもので、小学生のものを販売後、大人の光線過敏症・XP・その他の難病の方々からのご要望があり
大人のサイズも展開しています。

 

XP UV protecting clothing peekaboo inc.

一番左のUV防護服に加えて、完成したのが、まん中の幼児用の

①UV防護服ケープ型(幼児~キッズ)
②UV防護服フロントオープン型 (大人用) 試作中

です。

 

新製品>色素性乾皮症の子どものためのUVケープ

XPの子どもたちは、将来のがんを防ぐためにできうる限りのUV防護が必要です。
軽く、薄く、UVカット率は100%に限りなく近くなければなりません。

当社にとってもこれはかなりの難問でした。

やっとの思いで太陽光を完全に遮蔽する、裏面に3重構造の布を選び、さらにできうる限りの肌の露出を減らし
UV遮蔽率99.7%の透明のビニール素材を見つけることができました。
デザインは、「シンプルでかっこよく、いつでもこの1枚だけで上半身(お尻の下まで)を覆うことができるもの」を
目指します。
当然、視野も広く、暑いときでも涼しく、またビニールが曇ることも防がなければならないことが一番の難関です。

これには、完全に肌を覆った素材に対して、空調ファンしかないと考えました。

当社は、以前に商談をさせていただいた「空調服」様(国内特許所有会社)にコンタクトを取り、
この病気を理解していただき
この防護服には空調ファンが必要だということを分かっていただきました。
さらに、契約と、UV防護服の共同特許出願をしております(子供用:写真左)

 

今回、新しくチャレンジしているのは、このUV防護服 ケープタイプです。

遠く離れた海外のモロッコにも、XPの患者さんは多く、また小さなお子さんたちが困っています。
出来る限り安く、軽く、さっと被るだけ、さらに、成長しても長く使えるものを作りたいと考え、考えて・・
この形を完成させました。

難しい「ビニール」での立体フェイスガード

難しいのは、「圧迫感」です。
顔の目の前に物質がある時ほど圧迫感と閉塞感を感じます。
このビニールを顔から離し、視野を広くし、動きやすくすることで、幼い子供たちでも着用が可能に
なると思いました。

立体にするのは、このビニールでは重くて難しく、フランスのフェイスガードのように丸くはならず
悩みました。

色々なビニールを被ったり、型を取ったり、形を作って張り付けたり、時には「ひご」をフードの周りに
差し込んだりと、何とか立体を保てるようにできないかと試行錯誤。
固いビニールひもや、ひご、針金などいくつも、何度もフードの周りのループのところに入れてみますが
小さな子供の体で支えることは困難です。

 

試作を繰り返して完成したのが、こちらのUV防護ケープです。

色素性乾皮症の子どもを持つ父親である阿部さんがデザインされたものをエポカル流にしたNO!UV Mark
を付けました。
「紫外線に当たる事が出来ない人もいるということを知ってほしい」というメッセージが入っています。

 

ファンを付けたのは、圧迫感とフェイスガードの曇りをなくすため

本当は、ケープには、ファンを付けない予定でした。
出来るだけ軽くしたかったからです。
幼児に重いものは必要ないと考えましたが、XPの海陽君にかぶってもらった時泣いていたのを見て
圧迫感があるんだと感じました。

ファンは最小のものを選び、肌に当たらないように空調服の企画の方々のご指導をいただき、内側ポケットスタイルを
採用させていただきました。

首の後ろから風が当たるため、涼しいのです。
また、空調は調整ができるので、寒い時季でも「寒い」と感じるのではなく、通気性があると感じるはずです。

 

フードの立体感+フラップで安定

フードの立体感を少し押さえ、フードを大きく後ろ側に大きくし、さらに下からの乱反射を押さえる
フラップを付けることにより頭に安定して乗るようになりました。

 

ポケットは、手袋に

想定したよりも大きく手を広げた男の子(笑)

ポケットは、UVカット素材(UVカット率99%以上)で作り、内側から手を出せるようにしました。
これは、我ながらナイスアイディア!
通常は、手袋をしていただくのですが、急遽…の時には使えると思います。
何かを手に取りたくても、紫外線が降り注ぐところでは、手すら出せません。

このお子さんは、ほんの少しお外に出たら、やけどのように腫れあがってしまいました。
これを繰り返すと、皮膚がんになってしまいます。

小さいうちから、できうる限りの紫外線対策が必要なのです。

 

今後は、海外にも

このUV防護服(小学生用)を制作し始めて、PRしていないにもかかわらず海外からのお問い合せを多数いただくようになりました。

モロッコ、サウジアラビア、アメリカ、中国、オーストラリア、パキスタンなど・・・。
私たちは、JETROのお力を借りて、来年このUV防護服を持ってアメリカでのPRをしたいと思っています。
シリコンバレーでどのような評価を受けるか分かりませんが、出来れば患者さん、そして病院関係者、患者の会、
がん協会などの方々にお目にかかり、日本でこのような特殊なものを作り上げたことを、知らせたいと思います。

UV防護服が必要な人というのは、XPの患者さんだけではありません。

光線過敏症
日光アレルギー
紫外線アレルギー
光アレルギー
日光蕁麻疹
日光じんま疹
日光性皮膚炎
日光過敏症
多形日光疹
光接触皮膚炎
色素性乾皮症
XP
ポルフィリン症
慢性光線性皮膚炎
薬剤性光線過敏症
光アレルギー性接触皮膚炎
エリテマトーデス
SLE
膠原病
扁平苔癬
光線性白斑黒皮症
小水疱
慢性光線性皮膚炎

など。

 

必要な方々には、ぜひご着用いただきたいと思っています。
難病の方々は、孤独を抱えておられる方もおいでかと思います。私たちは、UV防護でしか
お手伝いできませんが、この分野でしたら、懸命に製品を開発しますので、ぜひご連絡ください。

 

日常生活給付金

こちらについても、当社のある和光市では、(XP患者さんはおられませんので実施には至っていません)
議会で患者さんが織られた場合は前向きに対処するという回答になりました。
これにつづき、伊勢市でもご検討されておられます。
また、沖縄の読谷村役場でも。

わたくしたちは、患者さんの生活を支えるアイディアや活動があれば時間ある限り
お手伝いしたいと思っています。

以下が、日常生活給付金の概要です。
厚生労働省のページの一部です。
詳しくは、以下のページをご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/yogu/seikatsu.html

制度の概要

市町村が行う地域生活支援事業の内、必須事業の一つとして規定。

障害者等の日常生活がより円滑に行われるための用具を給付又は貸与すること等により、福祉の増進に資することを目的とした事業である。

2.対象者

日常生活用具を必要とする障害者、障害児、難病患者等

※難病患者等については、政令に定める疾病に限る

3.実施主体

市町村

4.種目(詳細は(別紙)厚生労働省告示第529号を参照)

(1) 介護・訓練支援用具

(2) 自立生活支援用具

(3) 在宅療養等支援用具

(4) 情報・意思疎通支援用具

(5) 排泄管理支援用具

(6) 居宅生活動作補助用具(住宅改修費)

5.申請方法等

市町村長に申請し、市町村による給付等の決定後、給付等を受ける。

6.費用負担

(1) 補助金の負担割合

国:50/100以内 都道府県:25/100以内

(2) 利用者負担

市町村の判断による。

 

UV防護ケープは、2024年発売予定

この製品は、2024年2~3月に発売を予定しております。
お問い合せは下記までご連絡ください。

株式会社ピーカブー
代表取締役 松成紀公子

 

 

 

 

 

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