紫外線の影響
紫外線による人体への悪影響と好影響
紫外線による人の健康への悪影響としては、
急性的な影響
日焼け、免疫抑制、角膜炎など
慢性的な影響
皮膚がん、白内障など
一方で、日光を浴びることで体内でビタミン D が合成される良い部分もあります。
ビタミンDは、小腸内でのカルシウムとリンの吸収を促進する生理作用や、カルシウムとリンから骨を形成する作用(化骨)を有する。ビタミンDが極度に欠乏すると、発育期ではクル病や手足の骨の湾曲などに、成人では骨軟化症につながると考えられています。
紫外線を浴びた皮膚では、活性型ビタミンD3が生成されるので、適度に日光を浴びていればビタミンDが欠乏することはありません。
日本では夏の快晴日の正午頃であれば、わずか2~3分太陽光線を浴びれば、1日に必要なビタミンD3が合成される計算です。(白人)
図3-1-3の下段には、全身に紫外線を浴びた場合のビタミンD合成に必要な時間を示したが、極端に紫外線ばく露量が少ないとビタミンD合成が阻害されます。
紫外線を浴び過ぎると日焼け(紅斑)を引き起こすことが示されている。
皮膚への障害及びビタミン D 合成に必要な時間は紫外線の強さや肌の色(スキンタイプ)に関係し、紫外線に対して感受性の高い人では悪影響のあるレベルに達する時間は短くなります。
図に示された曲線は白人種についてのものであり、色の濃い皮膚では 5 倍以上長くなるとされています。
環境省Q&Aより
【人の皮膚への影響】
皮膚が過剰に太陽紫外線にばく露すると、日焼けが誘発されます。太陽紫外線を浴び続けることで、シミやしわといった光老化現象や皮膚がんを引き起こすことがあります。
【人の眼への影響】
紫外線による眼への影響として、強い紫外線のばく露を受けた数時間後に発生する急性の紫外線角膜炎(雪目)があります。また、低い紫外線のばく露を長時間に渡り繰り返し受けた場合の慢性的な影響として、白内障や翼状片が知られています。慢性的な紫外線ばく露による白内障は不可逆性があり、手術を必要とする重大な視力喪失につながることもあります。
【人の免疫への影響】
紫外線は、病気から人体を守る免疫反応を抑制する働きを持っています。このため、感染症や皮膚がんへの免疫反応が抑制される可能性があります。ただし、自己免疫疾患の一部には有益な影響を与える可能性もあります。
【ビタミンDの生成】
紫外線を浴びることにより、皮膚ではビタミンDが生成されます。ビタミンDは、骨の成長や発育及び維持に役立つ他、がん細胞の成長を阻害する作用があるという研究結果もあります。
【気候変化と紫外線による人の健康への影響】
現時点では、紫外線による人への健康影響に対して、気候変化がどのような影響を与えるかについては不確実性があります。気候変化によって、陸域生態系や水圏生態系に対する紫外線の影響が変わることで、食料の量や質が変わり、結果として人間の健康に影響を与える可能性があります。また、気候変化に起因する大気汚染の変動が健康に影響を与える可能性もありますが不確実です。
株式会社ピーカブー