松成紀公子 インタビュー 2022年

起業家インタビュー項目

 

1 株式会社ピーカブーの事業について、お聞かせください。

株式会社ピーカブーは、20年前に和光市内の育児中の母親2人で立ち上げた会社で、いままでもずっと女性だけの会社です。松成紀公子 株式会社ピーカブー

日本ではほかにない「紫外線対策製品」だけを専門に扱うUVカットウエアブランドエポカルを企画から販売までおこなうメーカーです。

特殊繊維にこだわり、洗っても落ちることがない安心で安全、環境にやさしい紫外線対策ができるUVカット製品です。

赤ちゃんの帽子やケープから、大人のアウトドアなどのアウター、スイムウエア、UVカットクリームなどもすべて
オリジナルデザインで企画・製造・販売しています。

主に自社のオンラインストアで販売を行っています。

コロナ前は、オーストラリアの政府検査機関から企業認証をいただいたり、
アメリカロサンゼルスの名門校のUSC マーシャルという大学院の
マーケティングプログラムに参加したりと海外へのアクションも行っていました。

現在は、和光理研インキュベーションプラザで、難病認定されている、
生まれながらにして紫外線に当たることができない
難病=色素性乾皮症の子どものためのUV防護服を検査研究し、寄贈するところまで行いました。

現在、この紫外線防護服は、アメリカやオーストラリア、遠くモロッコやフランスからもお問い合せをいただいています。

 


2 EPOCALの特徴や商品に込めた思いについて、お聞かせください。エポカル

  • エポカルブランドの製品の特長は、高いUVカット効果のある特殊な素材を使用すること
  • 紫外線対策用のオリジナルデザインを施し世界に1枚の製品を作ること
  • 夏でも長袖を着られる工夫をすること
  • シンプルな見た目であっても、多機能であること

 

エポカルは、500種類の製品を販売していますが、お客様にとってはたった1枚をチョイスすることになります。
その1枚が大満足になるように、買ってよかった、と言っていただける製品とご対応をしたいと思っています。

 


3 製品の開発から販売に至るまでで苦労したこと、それをどう乗り越えたか教えてください。

UVからの防護 帽子 UVカット

当社製品は、特殊です。

  1. 真夏の暑いときに肌を覆いたい
  2. 肌をほとんど覆うのに、涼しく快適でいたい
  3. 日焼けを極力させつつ、通気性はすごく欲しい

 

思えば、逆の意味のことを同時に行う「難題」に立ち向かっています。

それが、素材の技術であり、母親のIdeaであり、他社とのコラボレーションから生れるものです。
製品開発は、生活の中、特に育児中に子どもの肌を守りたいと考えて企画に入りました。
近年はお客様のご意見からその「大変」を解決するために経験を生かしてIdeaを絞ります。

ただ、その解決しただけでは、エポカル製品とはなりません。
お客様の想像を超える「いいね」を追加すること、エポカルにしかないものを作りたい

と考えつくし、製品化します。

Kikuko Matsunari

 



4 経営者として大切にしていること(ビジョン)はなんですか?

社会の中で活躍する女性として「企業」というものをこうありたいという共感を持っていただける理想の会社とし、さらに安心感を持っていただける製品と情報をお届したい。
あくまでも「女性」としてこうありたいという働き方を実現する経営者でいたい。

自分を含め働く人が幸せであること、さらに、その幸せをベースに私達しか作れない製品の企画をすること、心から必要としていただける製品を作り届けることが大切です。
女性だけの会社が成り立つ仕組みと働き方、そして、製品づくりがわたしの一番大切な部分。

女性として、母であり、会社と社会の一員であることを実感しつつ働きやすい環境づくりと新しい働き方を自ら実行していきたい。

 

 


 

5 起業前と現在で考え方の変化やギャップはありますか?

全く違う視点で物事をとらえることができるようになったと思います。
全てにおいて「受け身」だった起業前。
与えられたモノ、与えられた仕事を上手にこなす能力はあったと思いますが、
起業後の充実感はありませんでした。

もちろん、責任の重さや、リスクは感じますが、それよりももっと「いい製品が作りたい」「必要としている人たちの役に立ちたい」「私しか作れないものを作りたい」という気持ちのほうがずっと強いのです。

また周りに居てくれる人たちの大切さにも気づかされる毎日です。
会社は、大きなものに感じますが、やはり人と人とのお付き合いと信頼関係ですべてがまかなわれていると思います。

より人を大切にし、その存在とパワーを感じ、大切に思えるようになりました。

100人会議に出演

 


 

6 会社(事業)を続けていく上で、大事なことはなんですか?

お金じゃない目標!
1つの目標をクリアした時には、すでに次の目標ができている20年間でした。

だからこそ、突っ走れたと思えます!
やる気と根性、自分のやりたいことが人のためになると信じる事、
仲間であるスタッフを信じて同じ目標に向かって1歩ずつ進むことです。

 

USC 南カルフォルニア大学 マーシャル大学院 マーケティングプログラム

 


7 和光理研インキュベーションプラザに入居してよかったことはありますか?

何かを開発することに没頭する人たちに会うことが出来ました。
憧れの理研に入るパスポートをいただいて、飛び上がるほど嬉しかった。
入居当時の目標である紫外線測定器の設定はモノづくり補助金を国から頂くことによって達成し、さらにその先にあった難病の子供たちのための紫外線防護服を作る事、寄贈することも達成しました。
入居当時ははるかかなたの夢のような話でしたが、叶えることができたことは、ここで目標を唱えたからだと思っています。
さらに、何か検査研究をしたい!と思った時に、日本屈指のトップサイエンティストがそろう理研がすぐそこにあること、アドバイスくださる研究者がいて下さることに感謝しています。
様々な専門家のアドバイスをいただけることも、良かったことです。

 


 

8 将来の目標や今後の事業展望について教えてください。

将来の夢として

和光市の小学校にエポカルの制帽を採用してもらうこと。

さらに埼玉県、そして日本国中の小学生に紫外線対策用の制帽を被ってほしい。

無駄な日焼けをせず、美しい肌を保ってほしい。

日本製の紫外線対策ウエアブランドとして、ジャパンブランドを世界にPRするためにパリコレに出る事。(笑)

日本の紫外線対策の歴史は、当社の立ち上げからと言っていいでしょう。

2002年からの歴史をWHOにお伝えしたい。

世界中の色素性乾皮症の会を繋ぎ、情報交換をできる環境と会を作りたい。

さらに医療関係者とつなぎ、患者さんにより良い環境を作ることを目指したい。

小学校の教科書に、紫外線と紫外線対策を掲載したい。

 

 

株式会社ピーカブー
代表取締役 松成紀公子

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